シャープのプラズマクラスタードライヤーであるIB-NP9とIB-RP9は、見た目やスペックが近く「どこが違うの?」と迷いやすい組み合わせです。
結論から言うと、核となる風量や温度、運転モードは同等で、違いは発売時期・本体色のバリエーション・同梱ノズル(スピードノズル)の有無が中心です。
ここでは、IB-NP9とIB-RP9の違いを実使用に結び付けて整理し、価格と色、付属品まで含めて後悔なく選べる判断軸を提示します。
IB-NP9とIB-RP9の違いを要点で把握する
まずは要点を俯瞰します。
両機は「約1.8m³/分の大風量」「HOT/WARM/SCALP/COLD/BEAUTYの多彩なモード」「プラズマクラスター搭載」といった骨格が共通で、速乾エアロフォルムによる根元速乾・低温ドライの考え方も同じです。
違いは、IB-RP9が後発世代(現在は生産終了)、IB-NP9が現行寄りの流通で、色展開と付属品(NP9はスピードノズル同梱、RP9は基本同梱なし)が分かれる点に集約されます。
発売時期の位置づけ
シャープのサポート情報では、IB-NP9のQ&A公開が2021年、IB-RP9が2022年で、系譜上はRP9がNP9の後発に位置します。
ただし現時点ではIB-RP9は生産終了、IB-NP9は製品ページが公開され続けており、在庫・価格の安定はNP9側に分があります。
「最新であること」を重視するより、総支払額と色・付属品の好みで決めるのが実用的です。
色の違い
色展開は選択満足度に直結します。
IB-NP9はキャメルピンク(-P)とコズミックパープル(-V)などの展開、IB-RP9はサクラピンクやサーブルベージュ系の展開が流通で確認できます。
毎日手に取る家電なので、色の好みは「使う楽しさ」に効く重要要素です。
同梱品の差
IB-NP9は「セット用ノズル」「スピードノズル」「清掃ブラシ」が標準同梱です。
IB-RP9は販売チャネルにより構成差があるものの、ベースではスピードノズル非同梱が一般的で、必要なら別売や互換ノズルで対応する形になります。
スピードノズルは「前髪だけ素早く仕上げたい」「根元を狙って立ち上げたい」ときに便利です。
主要スペック比較
外形サイズ・重量・風量・温風温度・消費電力・搭載モードは同レンジで、体感差は置き方や毛量・髪質によるところが大きいです。
したがって「速く乾かす力」や「低温でいたわる考え方」は同等と見て問題ありません。
下表は比較観点の整理です(購入時は型番ページや比較ページで最終照合を)。
| 観点 | IB-NP9 | IB-RP9 |
|---|---|---|
| 発売時期の位置づけ | 2021年登場 | 2022年登場(現在は生産終了) |
| 色展開 | キャメルピンク/コズミックパープル 等 | サクラピンク/サーブルベージュ 等 |
| スピードノズル | 同梱 | 非同梱(チャネル差あり) |
| 風量目安 | 約1.8m³/分 | 約1.8m³/分 |
| 温度・モード | HOT/WARM/SCALP/COLD/BEAUTY | HOT/WARM/SCALP/COLD/BEAUTY |
選び分けの結論
機能同等なので、まずは価格と在庫・色で決めるのが合理的です。
スピードノズルを使いたい(前髪の立ち上げ、根元集中)ならIB-NP9が手早く、店頭在庫で好みの色がRP9にしかない場合はそちらを選ぶ、という順序が実用的です。
「どちらでも速乾&低温ドライ」は共通、と覚えておけば迷いません。
使い心地の違いを体感イメージで掴む
スペックが同等でも、使い方や置き方しだいで体感は変わります。
ここでは乾かす順序やノズルの使い分け、距離と角度の基本を押さえ、IB-NP9/IB-RP9どちらでも“速く・やさしく・まとまる”を再現しやすいコツを整理します。
特に「低温×大風量」を活かすと、ダメージを抑えつつ素早く仕上げられます。
速乾の基本動線
根元→中間→毛先の順で、最初は手ぐしで地肌に風を通し、8割乾いたらブラシで方向付けをします。
仕上げはCOLDまたはBEAUTYモードで表面温度を落とし、キューティクルを整えるとツヤとキープが安定します。
「大風量なのに熱がきつくない」設計を活かし、風量はターボ寄り、温度はHOT/WARMの使い分けが基本です。
ノズルの使い分け
スピードノズルは風を集中させ、前髪や根元の立ち上げを短時間で決めたいときに便利です。
セット用ノズルは面で整えやすく、毛流れのツヤ出しや内巻きの“面ツヤ”づくりに向きます。
RP9でスピードノズルが同梱されない場合は、標準の吹出口で距離(15〜20cm)と角度で代替可能です。
- 前髪:スピードノズル+COLDで形を固定。
- 根元:スピードノズルで地肌方向に当てる。
- 面ツヤ:セット用ノズルでブラシに沿わせる。
夜ドライと朝スタイリング
夜はWARM中心で8〜9割まで乾かし、仕上げにCOLDで表面を整えると寝ぐせが出にくくなります。
朝は前髪・表面のみをスピードノズルで素早く復元、最後にCOLDでツヤを戻すと短時間で整います。
いずれも「当てすぎず動かす」のがコツで、同一箇所に熱を溜めない意識がダメージ抑制につながります。
髪質と悩み別のおすすめ運用
同等スペックでも、髪質・長さ・悩みによって適したモードやノズルは変わります。
以下では代表的な悩み別に、IB-NP9/IB-RP9共通で再現しやすい運用を提示します。
どちらを選んでも「低温×大風量」を柱に組み立てるのが近道です。
広がり・うねり
うねりが強い人は、乾かす序盤をWARMで「根元方向に引き締める」→中盤からHOTで面を整える→最後にCOLDで締める流れが安定します。
スピードノズルがあれば根元の立ち上げと生え際コントロールが短時間で決まり、まとまりの土台が作りやすいです。
BEAUTYモード併用で表面温度を整えると、広がりの再発を抑えやすくなります。
- 序盤はWARMで根元を方向付け。
- 中盤はHOTで面を整える。
- 仕上げはCOLD/BEAUTYでツヤ固定。
細い髪・ボリューム不足
細毛は熱でへたりやすいので、温度はWARM主体、風量はターボ寄りで“風で支える”意識が有効です。
分け目を跨ぐように風を当て、冷風で固定すると根元のボリュームが持続します。
スピードノズルがなくても、吹出口を近づけすぎず角度で根元を狙えば代替可能です。
| 悩み | モードの軸 | ノズル |
|---|---|---|
| うねり・広がり | WARM→HOT→COLD/BEAUTY | スピード&セット |
| 細毛・ぺたん | WARM中心+COLD固定 | スピード(根元狙い) |
| 多毛・ロング | HOT主体+COLD仕上げ | スピードで分割乾燥 |
ダメージ配慮
カラーダメージや乾燥が気になる場合は、序盤からWARM中心で地肌〜中間を優先的に乾かし、毛先は最後に短時間で。
プラズマクラスターの除電・保護効果の恩恵を得るには、吹出口と吸込口の清掃を月1、ユニット清掃を隔月で行い、風路をクリーンに保つのが前提です。
整髪料は乾かす前に軽く落とし、オイルは毛先に少量が鉄則です。
設置・メンテで“同等スペック”を出し切る
同じ中身でも、置き方とメンテで仕上がりと静音性、乾燥時間が変わります。
ここではIB-NP9/IB-RP9共通のメンテポイントと、毎日の扱いで差が出やすい注意点をまとめます。
清掃ブラシ同梱(NP9)やサポート情報を活用し、効果を安定させましょう。
置き方と動線
鏡・コンセント・収納の動線を一直線にすると、毎日の所要時間が短くなります。
電源コードは可動部のねじれを避け、使用後は耐熱面に一時置き→完全冷却→収納の順に。
ノズルは洗面下の浅いトレイにまとめておくと、朝の付け替えがワンアクションになります。
- 鏡前に立って左右に回り込めるスペースを確保。
- コードは8の字で緩くまとめて断線防止。
- ノズルは用途別に手前へ配置。
清掃のルーティン
吹出口・吸込口は月1でほこりを除去、プラズマクラスターユニットは隔月で清掃(付属または別売ブラシ)します。
風路が詰まると風量低下→乾燥時間増→熱だまりの印象悪化に直結するため、短時間でも“日にちで清掃”が有効です。
サポートページのQ&A更新も確認しておくと、詰まり時の対処がスムーズです。
| 部位 | 頻度 | 道具 |
|---|---|---|
| 吹出口/吸込口 | 月1 | 柔らかいブラシ/布 |
| プラズマクラスターユニット | 隔月 | 清掃ブラシ |
| ノズル | 汚れたら都度 | 水洗い→完全乾燥 |
よくある勘違い
「ノズルがないと速く乾かない」は誤解で、基本は大風量×距離と角度で決まります。
「強い熱が早い」も誤解で、低温×大風量を動かして当て続ける方がダメージを抑えつつ速く乾きます。
ノズルは“狙い撃ち”が必要な場面で補助的に使う、が正解です。
価格・在庫・カラーでの最終比較
仕上がりは同等なので、最後は価格・在庫・色の三点で決めましょう。
現行寄りのIB-NP9は在庫が見つかりやすく、スピードノズル込みで“すぐ使える”のが利点です。
IB-RP9は型落ちゆえに掘り出し価格が見つかることもあるため、好みの色があれば検討価値があります。
総額の見方
本体価格+必要なら別売ノズルの費用まで含めて比較します。
ポイント還元や保証延長、納期(いつ手元に届くか)も体感満足に影響します。
「色優先」か「総額優先」かを先に決めると迷いが減ります。
- ノズル込みの実質価格で比較。
- 納期と在庫の安定性を確認。
- 保証とサポート窓口も事前チェック。
色で選ぶ
メイク道具や洗面まわりの色と合わせると、「使うたびに気分が上がる」体験につながります。
NP9のパープル系は存在感があり、RP9のベージュ系は空間になじむ落ち着きが魅力です。
長く使う前提なら“飽きない色”を優先しましょう。
どっちを買う?指針
ノズル同梱・現行寄りの入手性を重視→IB-NP9。
好みの色がIB-RP9にしかない/型落ち価格重視→IB-RP9。
いずれも速乾と低温ドライは共通なので、失敗しにくい選択です。
IB-NP9とIB-RP9の違いを一言で要約する
両機は中身の骨格が同等で「色」と「同梱ノズル(NP9はスピードノズル付き)」、そして「発売時期(RP9が後発だが現在は生産終了)」が主な違いです。
機能・速乾力・低温ドライの考え方は共通なので、最終判断は色・価格・在庫の三点でOK。
買ってすぐ使い分けたいならIB-NP9、好みの色や掘り出し価格重視ならIB-RP9を選べば納得感の高い買い物になります。
