ロボット掃除機の定番ブランド・iRobotの「ルンバ」。
その中でも、コスパの良さで人気を集めるのが「ルンバi3」と「ルンバe5」です。
どちらも比較的リーズナブルな価格帯で購入でき、ベーシックな清掃機能をしっかり備えていますが、実際に選ぶとなると「何が違うの?」「どっちを買ったら後悔しない?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、ルンバi3は最新世代のナビゲーション機能を搭載し、より効率的な掃除が可能。一方でルンバe5はシンプルで使いやすく、価格も抑えられているのが強みです。
つまり、同じ「標準モデル」でも得意分野が異なるため、使用環境や重視するポイントによって最適な選択肢は変わってきます。
この記事では、ルンバi3とe5の違いを基本スペックからチェックポイント、使い勝手や価格動向まで徹底比較。最後には「どんな人にどちらがおすすめか」も整理しています。
これから購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ルンバ i3 e5 の違いを総まとめ
ロボット掃除機市場の中で、iRobot Roomba i3 と iRobot Roomba e5 は、「高すぎない価格帯で、基本性能と信頼性を両立したモデル」としてよく比較対象になります。見た目や基本機能は似ている点も多く、「違いがわかりにくい」と感じる人も多いでしょう。しかしながら、性能差・ナビゲーション方式・使い勝手などで実際には差異があり、利用環境や重視するポイントによって向き不向きが出てきます。
ここでは、両モデルの共通点と異なる点をまず押さえたうえで、どのような使い方をする人にどちらが向くかを整理していきます。
共通点(基盤仕様・機能)
まず、i3 と e5 に共通している性質や機能を確認しておきます。これらは「性能面の土台」として、どちらを選んでも最低限満たしているべき条件です。
- どちらも iRobot のロボット掃除機ラインナップの中級~ミドルレンジに位置するモデル。
- 吸引、ブラシ、ゴミ除去という基本的な掃除機能は両モデルとも備えており、フローリングやカーペット上のゴミ除去性能に一定の信頼性があります。
- Li-ion 型バッテリーを搭載しており、持続時間と充電性能は一般的なロボット掃除機としての基準を満たしています。
- ホームベース(充電台)に戻って充電する仕様。
- スマホ連携やスケジュール設定など、アプリ操作やWi-Fi制御(モデル・地域により対応状況異なる可能性あり)といったスマート機能を備えているモデルが多い。
これら共通点を前提に、違いとなるポイントを見ていくことで、「どちらがあなたの暮らしにフィットするか」を見極めやすくなります。
主な違い・比較視点
以下の点が、i3 と e5 を比較するときの差別化要因となる主な視点です。
比較要素 | i3 の強み・特徴 | e5 の強み・特徴 | 選び方の観点 |
---|---|---|---|
ナビゲーション方式・動き方 | i3 は「整列走行モード(整然走行)」を備えており、効率よく部屋を縦横に走りながら掃除が可能。走行が計画的なパターンを描く傾向がある | e5 は従来型のランダム走行モードが中心。少し行き当たりばったりな動きも見られる | 部屋を効率的に掃除してほしいなら i3、複雑な間取りや家具が多い部屋なら使い始めが容易な e5 も有利 |
吸引力・ブラシ構成 | i3 モデルは「Power-Lifting Suction(底力吸引)」をアピールしており、ゴミ吸引力を強化した仕様 | e5 も吸引力重視仕様を採用しており、ペットの毛などを絡め取りやすい設計 | ペットの毛や細かなほこりに悩むなら、吸引性能とブラシ構成を重視して選ぶ |
ゴミ捨て頻度・ダストボックス容量 | 一部 i3 系モデルに「Clean Base(自動ゴミ排出機構)」対応モデルあり | e5 は手動ゴミ捨てが基本だが、ゴミ箱容量や取り出しやすさを重視した設計 | 「ゴミを頻繁に捨てたくない」なら、i3 + 自動排出形式を選ぶ価値あり |
マッピング・部屋認識機能 | i3 は一部ファームウェア更新により「スマートマッピング」(部屋を認識して掃除順序を最適化)機能を使えるケースあり | e5 はマッピング機能よりも掃除性能重視型設計が多い | 部屋を指定して掃除させたい場合や複数部屋の掃除効率を重視するならマッピング機能の対応状況が決め手になる |
操作感・挙動の安定性 | 整列・直線走行など制御性を重視した挙動が多いため、掃除完了時の精密さや抜けが起こりにくい傾向 | ランダム走行系統が得意な場面では障害物回避に柔軟性あり | 部屋形状・家具配置の複雑さによって、動きの「癖」が使いやすさに響く |
価格・コスト | 最新技術や機能が追加されていれば定価が高めになる傾向あり | 性能重視ながらコストを抑えたモデル構成が得意 | 同価格帯なら機能を比較、価格差が大きいならコストパフォーマンス重視で判断 |
これら比較視点は、ただ並べられた仕様をひたすら読むよりも、読者が自身の掃除環境・掃除ニーズ(ペットの毛、部屋形状、ゴミの種類など)と照らし合わせて判断できる材料になります。
基本スペック比較表
下表は、公開されている仕様やレビューで確認できた i3 と e5 のスペックを整理したものです。モデルや地域版によって若干の差異がある可能性がありますので、最終判断時には公式仕様を確認してください。
項目 | i3 | e5 |
---|---|---|
ナビゲーション方式 | パターン走行+整列モード(Smart Mapping 対応モデルあり) | ランダム走行方式中心(マッピング機能を持たない/限定的) |
本体寸法 | 幅 13.26 インチ × 高さ 3.63 インチ(約 33.7 cm × 9.2 cm) | 幅 約 13.3 インチ × 高さ 3.6 インチ(約 33.8 cm × 9.1 cm) |
重量 | 約 7.44 ポンド(約 3.38 kg) | 約 7.2 ポンド 前後(約 3.27 kg) |
バッテリータイプ | リチウムイオン電池 | リチウムイオン電池 |
吸引技術 | Power-Lifting Suction(強化吸引モード) | 吸引強化仕様搭載モデルあり(「5× 吸引力」等をうたうものも) |
ゴミ箱容量 | 小型ダストボックス、Clean Base 対応モデルあり | 標準ダストボックス(容量は中~上位ロボット掃除機と同等クラス) |
フィルター | 高性能 HEPA 型フィルター/排気清浄性を意識した仕様 | 高効率フィルターを搭載し、アレルギー対策を意識した仕様 |
マッピング・部屋制御 | 対応モデルでは複数マップ保存、部屋指定掃除可 | マッピング機能なしまたは限定的(部屋指定が難しい) |
障害物回避・センサー数 | 複数のセンサー(衝突センサー、バンパー、落下防止など) | 同様の複数センサーを搭載し、日常使いには十分な障害物回避能力 |
運転モード | 標準・強・ラグジュアリー等モード選択 | 複数モード対応(例:標準・強・自動など) |
連続稼働時間 | モデル条件により異なるが、通常 60〜75 分前後 | 多くの e5 レビューで「ペット毛対応」「中〜高稼働時間」など評価あり |
充電時間 | 通常モデルでは 3〜4 時間程度(モデルにより異なる) | 同じく 3〜4 時間前後の仕様が多い |
付属品 | ホームベース充電台、予備フィルターなど | 同様に充電台および標準付属品を備える場合が多い |
スペック比較から読み取れる注目点
- ナビゲーション方式の違い:i3 の整列走行モード、マッピング対応力は効率性に影響しやすい。e5 はランダム走行中心だが、構造が単純な分信頼性が高いという評価もある。
- 吸引力仕様:i3 が 「Power-Lifting」等強化吸引をアピールしている点は、ゴミや埃をしっかり取りたい人にとってアドバンテージ。
- マッピング・部屋制御機能:部屋を分けて掃除させたい、リビングだけ掃除したいなどの機能を使いたいなら i3 のマッピング対応性が魅力。
- 重量・高さの差は小さいが体感に影響:部屋の隙間や家具下スペースに入るかどうかは、高さ差が微妙に効くことも。
- ゴミ箱・排出方式:i3 の一部モデルは Clean Base に対応しており、ゴミ捨ての手間を軽減できるモデルがある点が特徴。
このパートの結論と読者への選びの後押し
ルンバ i3 と e5 の違いは、スペックだけ見ても大きな隔たりが出るものではありません。むしろ、ナビゲーション方式・吸引強化機能・マッピング対応性・ゴミ捨て手間といった利用体験周辺の部分で差が出ます。
もしあなたが、
- 広めの間取りを効率よく掃除したい
- 部屋ごとに掃除制御をしたい
- ゴミ捨て手間を減らしたい
というニーズを持っているなら、i3 の上位モデル・マッピング対応モデルが魅力的な選択肢になるでしょう。
一方で、
- 単純に床をきれいにしてくれれば十分
- シンプルでメンテナンスの手間が少ない方が好み
- 価格を抑えたい
という条件が重視なら、e5 のような設計重視型モデルが妥当な選択といえます。
チェックしたい3つのポイント
ルンバ i3 と e5 を比較する際、スペック表の数字だけでは見えてこない「体験的な差」があります。購入を検討するなら、特に以下の3点を押さえておきましょう。
1. ナビゲーション方式
- i3は「整列走行」タイプで、部屋を規則的に縦横に動きながら効率的に掃除します。掃除のムラや抜けが少なく、大きなリビングやLDKを持つ家庭では強みになります。
- e5は「ランダム走行」タイプ。動きに計画性はありませんが、家具の多い部屋や細かいスペースでも柔軟に入り込んで掃除する特性があります。
→ 部屋の広さや構造によって、どちらが使いやすいかが変わります。
2. ゴミ捨て方式
- i3は上位モデルで「クリーンベース(自動ゴミ収集機)」に対応しています。ダストボックスを頻繁に捨てなくてもよく、数週間に一度のまとめ捨てで済みます。
- e5は手動でダストボックスを空ける必要があります。ペットを飼っている家庭やゴミが多い環境では、やや手間が増える点に注意が必要です。
→ ゴミ捨ての頻度を減らしたい人にはi3が有利。
3. 価格とコストパフォーマンス
- i3は最新機能を持つ分、価格はやや高め。ただしマッピングや効率走行、クリーンベース対応などの利便性を考えると、長期的な満足度は高いです。
- e5は実売価格が安く、基本性能も十分。初めてロボット掃除機を試したい人にとっては導入コストを抑えられる魅力があります。
→ 予算を優先するならe5、利便性を重視するならi3という選び方が基本です。
使い勝手の違い
次に、実際に日常で使ったときの「体感的な違い」を整理します。
掃除の精度と完了感
- i3は効率的に部屋をくまなく走行するため、掃除が終わった後に「ちゃんと全部やってくれた」という安心感があります。
- e5はランダム走行のため、短時間では掃除のムラが気になる場合もあります。ただし長時間運転させれば最終的にはほぼ全域をカバーできます。
メンテナンスのしやすさ
- i3は自動ゴミ収集機対応により、ダストボックス掃除の手間が軽減されます。日々の手入れは少なめ。
- e5はゴミ捨ての頻度が多くなりますが、ダストボックスは水洗いできるため清潔に保ちやすい利点があります。
スマート機能
- i3は一部モデルで部屋ごとの掃除指定やマッピング機能に対応しており、アプリで「今日はリビングだけ」「明日は寝室」という使い方が可能です。
- e5はアプリ連携はできますが、マッピング機能は非対応。シンプルに「スタートすれば部屋全体を掃除する」スタイルです。
音や動作の印象
- 両モデルとも動作音はそれなりにありますが、i3は規則的に動くため、見ていて「効率的に掃除している」と感じやすい傾向があります。
- e5はランダムに動くため「本当に掃除できているの?」と最初は不安に思う人もいますが、時間をかければ問題なくゴミを取ってくれます。
電源・充電まわりのポイント
バッテリー性能
ルンバ i3 と e5 はどちらもリチウムイオン電池を搭載しています。一般的な稼働時間は60〜75分前後で、ワンフロアの掃除であれば十分に対応できるスタミナです。掃除の途中でバッテリーが切れた場合でも、自動で充電台に戻る機能を持っており、ユーザーが意識する必要はほとんどありません。
充電時間
フル充電までにかかる時間はおよそ3〜4時間とされており、どちらのモデルも大きな差はありません。夜に充電しておけば翌日には問題なく使用できるため、日常的な使用においてストレスは少ないでしょう。
自動充電と清掃再開機能
- i3は充電後に掃除を再開する「リジューム機能」に対応しているモデルがあります。広い家や複数の部屋を掃除する際には、この機能があると便利です。
- e5はホームベースに戻って自動充電はしますが、清掃再開機能は非対応。途中でバッテリー切れを起こした場合は、再度スタートボタンを押す必要があります。
メンテナンス性
両モデルともバッテリー交換が可能で、寿命は通常2〜3年程度が目安。公式の交換バッテリーや互換バッテリーが入手可能なので、長期的に使い続けられる安心感があります。
価格と買いどき
実勢価格の傾向
- ルンバ i3:現行モデルに近いため、価格は3万〜4万円台で安定しています。マッピング機能やクリーンベース対応など最新の利便性が欲しい人に選ばれています。
- ルンバ e5:型落ちモデルとして位置づけられることが多く、価格は2万〜3万円台。セール時には2万円を切ることもあり、コスパ重視で選ばれる傾向があります。
セールを狙う
特に狙い目なのは、以下のような大型セールやキャンペーンです。
- Amazonプライムデーやブラックフライデー
- 楽天市場のスーパーセールやお買い物マラソン
- 家電量販店の決算期セール
これらの時期には1万円近く値引きされることもあり、購入の絶好のチャンスです。
コストパフォーマンスの見方
- 短期コスト:導入コストを抑えたいならe5。初めてロボット掃除機を試す人や「必要十分」を求める人に合っています。
- 長期コスト:ゴミ捨ての手間が少ないクリーンベース対応や清掃再開機能を備えたi3は、日々のストレス軽減につながりやすく、長期的な満足度が高い選択肢です。
買いどきの判断基準
- 価格優先:2万円台で買えるならe5はお得感が強い。
- 機能優先:3万円台前半まで下がるならi3は狙い目。
- 在庫状況:e5は徐々に流通量が減っているため、欲しい人は見つけた時に購入を検討するのが無難です。
よくある質問
Q1. 吸引力はどちらが強いですか?
A. 両モデルとも十分な吸引力を備えていますが、i3は最新世代の「パワーリフト吸引」を採用しており、カーペットでの微細なゴミ除去に強みがあります。e5もペットの毛やホコリに対応できる性能を持っていますが、吸引効率ではi3がやや優位です。
Q2. 掃除の精度に違いはありますか?
A. i3は整列走行とマッピング機能により、部屋全体を効率的にカバーできます。e5はランダム走行でカバー率は高いものの、時間がかかる傾向があります。短時間で効率よく掃除させたいならi3が向いています。
Q3. ペットを飼っている家庭にはどちらが良い?
A. どちらもペット毛対応ブラシを備えていますが、毎日の抜け毛処理を少しでもラクにしたいならi3(自動ゴミ収集クリーンベース対応)、コストを抑えたいならe5がおすすめです。
Q4. バッテリー寿命はどれくらいですか?
A. どちらもリチウムイオンバッテリーを採用し、2〜3年程度での交換が目安です。交換用バッテリーが入手できるため、長期利用が可能です。
Q5. 初めてロボット掃除機を買うならどちら?
A. 操作がシンプルで価格も抑えられるe5は、初めて導入する方に適しています。家全体を効率的に掃除させたい、将来的にクリーンベースを導入したい方にはi3が良い選択です。
どっちを選ぶ?タイプ別おすすめ
広めの家や効率を重視する人 → ルンバ i3
- 整列走行で掃除ムラが少ない
- マッピング機能で部屋ごとの掃除が可能
- クリーンベース対応でゴミ捨て回数が大幅に減る
- 「毎日ラクしたい」「効率を重視したい」人に最適
コスパ重視・シンプルで十分な人 → ルンバ e5
- 基本性能をしっかり備えつつ低価格
- ペット毛や日常のゴミ掃除には十分対応
- ランダム走行だが稼働時間をかければ全域をカバー可能
- 「ロボット掃除機を試してみたい」「コストを抑えたい」人におすすめ
ペットを飼っている家庭
- 抜け毛が多く、毎日の掃除が欠かせない → i3(ゴミ捨てがラク)
- コスト重視でまず導入したい → e5(低価格で導入しやすい)
まとめ
ルンバ i3 と e5 は、どちらもロボット掃除機初心者からリピーターまで幅広く支持される人気モデルです。
- i3は最新のナビゲーションとマッピング機能、クリーンベース対応によって「効率的で手間いらずな掃除体験」を提供します。
- e5は価格の安さとシンプルな操作性で「必要十分なロボット掃除機体験」を届けてくれます。
最終的には、
- 「毎日の手間を減らしたい」「効率的に掃除したい」なら ルンバ i3
- 「価格を抑えたい」「まずはシンプルに試したい」なら ルンバ e5
この基準で選べば、後悔のないロボット掃除機選びができるでしょう。