ワイヤレス充電の新標準「Qi2」が2024年に登場し、「Qiと何が違うの?」「今使っている充電器やスマホはそのまま使えるの?」と気になっている方が急増しています。
この記事では、Qi2とQiの技術的な違い・対応機種・MagSafeとの関係・メリットとデメリットまで徹底的に解説。
初めてワイヤレス充電を導入する方も、買い替えや最新機種への乗り換えを検討している方も、この記事を読めば「どちらを選ぶべきか」が一目で分かります。
Qi2とは?Qiとの違いをわかりやすく解説
Qi・Qi2の定義と歴史
Qi(チー)は、ワイヤレス給電の国際標準規格として2008年にWPC(Wireless Power Consortium)によって策定されました。
以後、世界中のスマートフォン・イヤホン・スマートウォッチなどに広く採用され、
「“置くだけ充電”=Qi」という認知度を築いてきました。
Qi2(チーツー)は2023年に発表されたQiの新世代規格で、従来のQiの技術的課題を解決し、
「より確実で効率的なワイヤレス充電」を実現するために登場しました。
Qi2はMagSafe(Appleのマグネット式ワイヤレス充電)技術をベースにしているのも大きな特徴です。
Qi2が登場した背景
Qi1(従来のQi)では「充電位置がずれると充電が途切れる」「発熱・充電速度が不安定になりやすい」「複数メーカー間で互換性やパフォーマンスに差があった」などの課題がありました。
また、AppleがiPhone 12以降で独自に採用した「MagSafe」=マグネット位置合わせ+高速充電が非常に高評価を受け、
「Qi陣営も“マグネット式”を標準化すべき」という流れに。
こうした背景を受けて、WPCがMagSafeベースで規格化したのがQi2です。
QiとQi2の位置づけ比較
- Qi(旧規格)
・パッドの上に「置けば充電」できるが、ズレると非接続や遅延のリスク
・最大15W出力(機器により異なる/iPhoneは最大7.5W)
・マグネットなし(ケースやパッドで物理的に合わせる必要あり)
・2010年代のスマホのほぼ全てに対応
・Android勢中心。iPhoneも一部対応 - Qi2(新規格)
・マグネットで自動アライメント=ズレずに誰でも高速充電
・最大15W出力(初期は15W統一/将来的にさらなる高速化も視野)
・Apple「MagSafe」と互換性を持つ設計
・2024年以降、最新スマホ・アクセサリーで一気に普及見込み
・iPhone 15シリーズはQi2正式対応/今後Androidも急拡大予定
Qi2は単なる「Qiの後継」ではなく、「MagSafeとQiのいいとこ取り」を目指した新世代ワイヤレス充電規格です。
Qi・Qi2・MagSafeの違いと関係性
Apple MagSafeとの違い
MagSafeはAppleが独自にiPhone 12以降で導入した“マグネット+ワイヤレス充電”技術です。
Qiをベースにしつつ、「磁石でピタッと吸着」させることで充電ズレを防ぎ、iPhoneに最大15Wで効率的に充電できるのが特徴です。
MagSafeは一時「Appleだけの独自仕様」でしたが、Qi2登場で事実上“世界標準”に吸収された形になります。
Qi2とMagSafeの共通点と相違点
- 共通点
・マグネットによる自動アライメント(磁石でピタッと吸着してズレない)
・最大15Wの高速充電
・ワイヤレス充電の仕組み自体は同じ(電磁誘導式)
・iPhone 15シリーズは「MagSafe」「Qi2」両方に正式対応 - 相違点
・MagSafeはApple独自認証/Qi2はWPC認証でサードパーティも参入しやすい
・Qi2は今後Android含む“全スマホ業界”に普及予定(MagSafeはiPhone限定だった)
・MagSafeアクセサリの一部機能(カードケース・スタンド等)はQi2でそのまま使えない場合あり
Qi・Qi2とMagSafeの互換性
- Qi2対応スマホ(iPhone 15シリーズなど)は、MagSafe充電器もQi2充電器も利用可能
- Qi2充電器は、MagSafe対応iPhoneも最大15Wで充電可能
- Qi1対応スマホでもQi2充電器で5〜7.5Wで充電可能(ただしマグネット吸着や高速充電は非対応)
- Androidも今後Qi2対応モデルが増加予定。iPhone用MagSafeアクセサリの多くが“Qi2でも使える”流れに
Qi2の登場で「iPhoneとAndroid、Apple純正と他社アクセサリ」の垣根がどんどん低くなり、
ユーザー目線で“どれを買ってもちゃんと使える”時代が始まりつつあります。
Qi2とQiの技術的な違い・進化ポイント
マグネット配置・アライメント機能
- Qi2最大の特徴は「マグネット・アライメント(磁石による自動位置合わせ)」です。
Qi1では充電パッドと端末の“コイル位置”が少しでもズレると充電効率が落ちたり、充電が始まらないこともありました。Qi2は「Magnetic Power Profile」により、充電器とスマホが磁石でピタッと吸着、常に最適な位置で充電できる仕組みです。 - このおかげで充電の失敗・発熱・ロスが大幅に減り、誰でもストレスなく“置くだけ充電”が実現します。
充電コイル・充電速度の進化
- Qi1ではスマホや充電器によって最大出力が異なり、7.5W・10W・15Wとバラバラでしたが、Qi2は基本的に「最大15Wの急速ワイヤレス充電」がスタンダードに。
- コイル設計も改良され、発熱を抑えながら安定した高出力が維持できるのがポイント。パッド自体の厚みやデザインも今後より薄型・多様化が進むと見込まれています。
発熱・安全性の違い
- Qi2ではコイルのズレによる過剰発熱リスクが低減。マグネット吸着で“常にベストな位置”なので、充電時の温度上昇が抑えられ、バッテリーの寿命にもやさしい仕様です。
- 異物検知や温度管理機能も強化。Qi2認証を取得した充電器なら「金属異物が間に挟まったとき自動停止」「高温時の出力制御」など、安全性も世界基準で統一されています。
Qi2対応スマホ・デバイス・今後の普及
Qi2対応スマホ一覧(iPhone/Android)
- iPhone 15/15 Plus/15 Pro/15 Pro MaxはQi2正式対応。今後iPhoneシリーズは順次Qi2が標準搭載されていく見込みです。
- 2024年時点ではAndroidスマホで「Qi2公式対応」をうたうモデルはまだ一部ですが、今後Samsung・Google・Xiaomiなど主要ブランドもQi2対応を加速すると予測されています。
- Qi2の仕組みはハード的に“マグネット搭載が必要”なため、従来のQiスマホは「Qi2充電器で充電できるがマグネット吸着不可」となります。
タブレット・イヤホン等の対応状況
- タブレットでは今後iPad・AndroidタブレットなどにQi2搭載モデルが登場する可能性が高いです。
現時点ではスマホ中心ですが、ワイヤレス充電対応イヤホン・スマートウォッチ・モバイルバッテリーでもQi2準拠モデルが拡大中。 - 今後“スマホ+周辺機器をQi2一台でまとめて充電”という使い方がより一般的になるでしょう。
今後の普及予測・最新ニュース
- Qi2は「AppleとAndroidの橋渡し」になる規格として業界注目度が高く、2024〜2025年以降、スマホ・アクセサリー分野で急速に普及が進むと見込まれています。
- 「MagSafe=iPhoneだけ」の時代は終わり、Qi2で“どのメーカーも共通アクセサリが使える”ワイヤレス充電の標準化が進むのが最大の変化です。
- 主要メーカー(Anker、Belkin、バッファロー等)はすでにQi2対応製品の発売を開始。
大手家電量販店・AmazonなどでもQi2認証ロゴ付き製品が続々登場し、価格も徐々にこなれてきています。
Qi2のメリット・デメリット比較
充電速度の違い
- Qi2は最大15Wの高速ワイヤレス充電が“標準”です。iPhoneの場合は「Qi1=最大7.5W」だったのが「Qi2=最大15W」に。Androidも最大15W対応が一般化。
- 端末・充電器ともにQi2正式認証なら、「バッテリー残量ゼロから1時間台で80%前後」まで回復するスピード感。
従来Qiより“体感で2倍近い充電スピード”という声もあります。
置き場所の自由度・アライメント性能
- Qi2は「マグネット吸着」のおかげで“充電位置のズレ”による失敗・ロスが劇的に減少。
従来Qiでは「真ん中に置いたつもりが朝まで充電できてなかった…」というストレスが多発していましたが、Qi2なら“ピタッと”一発で最適位置に自動誘導されます。 - 縦置き・横置き・スタンド型でもズレにくいので、寝室・デスク・車載でも安心して使えるのがメリットです。
安全性・発熱・バッテリー保護
- Qi2は「常に最適位置で充電」+「異物検知・温度管理強化」で発熱・過充電のリスクが大幅に低減。バッテリーへの負担も最小限。
- スマホケースやアクセサリーがQi2認証の場合も「発熱しにくくなった」「夏場でも安心」というレビューが増加。
- 万一金属異物が間に挟まっても自動停止。安全基準もQi1より大幅アップグレードされています。
デメリット・注意点
- Qi2は「マグネットによる自動吸着」が特徴なので、端末・充電器ともにQi2認証(かつマグネット搭載)が必要です。Qi1スマホはQi2充電器で“置くだけ充電”はできるがマグネット吸着は不可。
- Qi2対応製品は2024年時点ではまだ割高・選択肢が限られる状況。今後1〜2年で価格下落&品揃え拡大が進む見込み。
- マグネット非対応のスマホケース・アクセサリーは「Qi2の利便性をフル活用できない」こともあるため要注意。
QiとQi2どちらを選ぶべき?用途別の選び方
スマホ機種別おすすめ
- iPhone 15シリーズ以降・Qi2対応Androidスマホ
→ Qi2充電器+Qi2マグネットアクセサリがおすすめ。急速充電&ズレない安心感が段違い。 - iPhone 14以前・Qi1対応Androidスマホ
→ Qi1充電器でも十分使えるが、「今後の買い替え」を見据えるならQi2充電器も候補に。今は“従来Qi”で不便なければ急いで買い替える必要なし。
Qi2非対応機種の使い方
- Qi2充電器は「Qi1機種でも充電OK(5〜7.5W)」なので、家族でiPhoneとAndroid混在の環境でも1台で兼用できます。
- Qi2対応マグネット式アクセサリー(スタンド・カーマウント等)はQi2端末専用になるため、利用シーンを想定して選ぶのがおすすめ。
Qi対応製品の今後の使い道
- 従来Qiのパッド・充電器・モバイルバッテリーも「当面はそのまま利用可能」。
iPhone 15以降やQi2端末が増えてきたら、徐々にQi2対応アクセサリへ移行するのが“賢い乗り換え方”です。 - Qi1端末は「予備用・サブ用」として残しておくのもアリ。Qi2充電器と並行運用もOK。
買い替え判断・用途別おすすめ
- これからスマホを新調・買い替える予定がある人/“失敗したくない派”はQi2対応製品が◎。今後数年はQi2が新スタンダードになる流れです。
- 価格重視・用途限定(寝室・サブ用など)ならQi1で十分。コスパで選びたい場合は型落ちQi充電器が割安でおすすめ。
- いずれにせよ、「端末・充電器・ケースなど“どこまでQi2化するか”」を使い方・家族構成で選ぶと失敗しません。
Qi2対応おすすめ充電器・アクセサリー紹介
人気メーカー(Anker・Belkin等)
- Anker(アンカー)
世界的な充電ブランド。Qi2対応のマグネットワイヤレス充電器やモバイルバッテリー、車載ホルダーなどを積極展開中。
最新「Anker MagGo」シリーズはiPhone 15/Qi2 Android両対応で注目度大。 - Belkin(ベルキン)
Apple公式パートナーでもあり、Qi2対応スタンド・充電パッド・マグネットカーマウントなど信頼性の高いモデルが揃う。 - バッファロー・エレコム・ラスタバナナ等の国内メーカーも、順次Qi2認証モデルをラインナップ。
価格帯や用途で選択肢がさらに広がりつつあります。
Qi2対応おすすめ充電器
- Anker 3-in-1 MagGo Wireless Charging Station(Qi2認証)
iPhone 15・AirPods・Apple Watchを同時ワイヤレス充電できるスタンド型。Qi2スマホもOK。 - Belkin BoostCharge Pro 2-in-1
MagSafe&Qi2両対応。マグネットでピタッと吸着&15W急速充電。 - バッファロー WLC15Wシリーズ(Qi2認証)
シンプルなパッド型。安定感と日本語サポートで安心。
Qi2搭載モバイルバッテリー・車載充電器
- Anker MagGo Qi2対応 モバイルバッテリー
マグネットで吸着したまま持ち歩き充電。スマホの背面にピタッと装着できるので移動中もズレなし。 - Belkin Qi2 車載マグネットホルダー
ドライブ中も吸着+急速充電。マグネットで縦横自在&片手で着脱可能。
Qi・Qi2認証マークの見分け方
- Qi2認証製品は「Qi2」ロゴが本体・箱・説明書などに明記。
従来のQi1製品は「Qi」ロゴのみ。
類似・非認証製品も市場に混在しているため、「Qi2」マークを必ずチェックしましょう。 - 認証製品なら「最大15W」「異物検知」「温度管理」などの機能が世界基準で保証されるので、安心して長く使えます。
Qi2の仕組み・技術解説
WPC認証とは?
- WPC(Wireless Power Consortium)は世界的なワイヤレス給電規格団体。
Qi・Qi2規格を策定・運営し、世界中のメーカー・端末が“同じ基準”でワイヤレス充電できるようにしています。 - WPC認証取得済み=相互互換性・安全性・機能性が担保されるという意味で、ガジェット選びの大きな安心材料。
マグネットによる位置合わせ
- Qi2最大の特徴は「Magnetic Power Profile(MPP)」=マグネット吸着によるコイル位置自動合わせ。
これにより「ズレによる失敗・ロス」がほぼゼロに。 - マグネットはスマホ・ケース・充電パッド側いずれかに内蔵され、「パチン」と吸着して即充電スタート。
コイル設計の違い
- Qi2では「高効率コイル+薄型設計」が可能になり、より薄型・コンパクトな充電器やアクセサリーの開発が進行中。
- 従来Qiではコイルの位置ズレや距離で効率低下しやすかったが、Qi2は“常に最適配置”でエネルギーロスが最小限に。
安全性技術(異物検知・温度制御)
- Qi2充電器は異物検知(FOD=Foreign Object Detection)・温度監視・過充電防止が世界基準で実装。
万一、金属異物が間にあっても自動停止/高温時は自動で出力制御。 - 「発熱・発火リスク」「バッテリー劣化」を最大限抑える最新安全技術がQi2には標準搭載されています。
Qi・Qi2のよくある質問・Q&A
旧Qi充電器はQi2対応機種に使える?
- 基本的には「従来Qi充電器」でQi2対応スマホも充電可能です。ただし充電速度は従来Qi準拠(iPhoneなら最大7.5W)となり、マグネット吸着や15W急速充電などQi2本来の恩恵は受けられません。
- Qi2のマグネット機能は活かせませんが、Qi認証製品同士なら「互換性・安全性」は確保されています。
Qi2充電器でQi機種も充電できる?
- Qi2充電器はQi1端末も下位互換で充電OK。出力はQi1基準(7.5W/10W/5W等)に自動調整されます。
- ただしQi2端末と違い「マグネット吸着」「15W充電」は非対応。ズレないように“置き方”には注意が必要です。
MagSafeケースはQi2で使える?
- iPhone用MagSafeケースはQi2充電器でも問題なく利用可能です。マグネット位置が共通規格化されたため、ピタッと吸着&高速充電できます。
- 一方、サードパーティ製ケースやアクセサリーは“Qi2正式認証”のものを選ぶとトラブルが起きにくいです。
発熱・安全面のQ&A
- Qi2は発熱しにくい?
はい。マグネット吸着で常に最適位置になるため、従来Qiより発熱・エネルギーロスが減少しています。夏場や連続使用でも安心感が増しました。 - 金属異物で危険にならない?
Qi2認証製品は異物検知(FOD)で自動停止。火傷や発火リスクは世界基準で抑えられています。 - バッテリーへのダメージは?
Qi2は過充電・高温を避ける自動制御あり。バッテリー寿命も守れる安心設計です。
Qi/Qi2の今後の動向・まとめ
ワイヤレス充電業界の最新動向
- 2024年以降、Qi2は“世界標準のワイヤレス充電規格”としてiPhone 15シリーズを皮切りに一気に普及中。AppleとAndroidの壁を超え、アクセサリー選びがシンプル&自由になってきました。
- 各メーカーが“Qi2認証”を続々取得しており、家電量販店やネット通販でもQi2マーク付き製品が急増中です。
Qi2普及による市場変化
- 「MagSafe=iPhone専用」から「Qi2=全スマホ共通」への移行が加速。家族でiPhone・Android混在でも1つの充電器をシェア可能に。
- モバイルバッテリー・車載ホルダー・スタンド・デスク用など、用途別アクセサリーもQi2主流へシフト。
- Qi1は「サブ用」「廉価モデル」「旧型アクセサリー」として当面残りますが、2〜3年でQi2対応がメイン市場になる見込みです。
今後の買い替え・選び方まとめ
- 今スマホを新調・長く使いたい方は「Qi2対応スマホ&Qi2充電器」が間違いなし。新しいiPhoneや今後のAndroid主力モデルはQi2が標準装備となります。
- Qi1ユーザーも「すぐに困ることはない」が、今後はQi2製品へ徐々に移行・乗り換える流れがおすすめ。
- アクセサリー選びでは「Qi2認証ロゴ」「マグネット吸着」「最大15W対応」をしっかりチェック!
まとめ
Qi2は、これまでのQi(チー)の使いやすさを大幅に進化させた新世代のワイヤレス充電規格です。
最大15Wの急速充電、マグネットによるズレない吸着、安全・互換性の向上など、
ユーザーが望む“ストレスフリーなワイヤレス充電”を現実にしました。
今後はスマホだけでなく、タブレット・イヤホン・家電・オフィス用品など幅広いジャンルでQi2が主流となり、
「どんな機種でも、どんなアクセサリーでも、置くだけですぐ充電」
という未来がすぐそこまで来ています。
Qi2の登場で、ワイヤレス充電の選び方も大きく変わります。
この記事を参考に、ご自身の端末・用途にぴったりのQi2アクセサリー選び&ワイヤレス充電ライフを楽しんでください。