パナソニックのドライヤーを検討するとき、よく挙がる比較が「EH-NA9GとEH-NA9Fの違い」です。
どちらもナノイーとミネラルを搭載し、温冷リズムやスカルプなどのモードを備える人気機ですが、電圧対応、風量、温風温度、サイズや重さに確かな差があり、使い勝手や満足度に影響します。
この記事では仕様と体感差の両面からEH-NA9GとEH-NA9Fの違いを整理し、生活に当てはめて迷いなく選べる判断軸とチェックポイントを提示します。
EH-NA9GとEH-NA9Fの違いを一気に把握
まずは全体像です。
結論から言うと、EH-NA9Gは国内専用で風量1.3m³/分・約125℃の実用温度を確保した「国内特化の速乾バランス型」、EH-NA9Fは海外電圧に対応する代わりにAC100V時は風量1.1m³/分・約100℃となる「トラベル対応の汎用型」という棲み分けです。
両機ともモード構成は共通で、ナノイー&ミネラル、UVケア、静電気抑制、インテリジェント温風などは同等ですが、乾きのテンポと取り回し、用途の幅で選び分けが生まれます。
要点の結論
EH-NA9Gは国内専用AC100V、風量1.3m³/分、約575gで速乾と軽快さのバランスが良く、毎日の定位置運用に向きます。
EH-NA9FはAC100–120V/200–240Vの海外対応で、旅先でも温冷やスカルプなどのモードを使い回せるのが強みですが、AC100V環境では風量1.1m³/分・約100℃となり乾燥速度はNA9Gに劣ります。
「国内だけで速く乾かしたい」ならNA9G、「海外でも同じ使い勝手を持ち出したい」ならNA9Fという住み分けが現実的です。
主要スペックの早見表
体感差に直結する項目だけを並べた比較です。
数値は公式仕様を基準にしており、AC100Vか120/240VかでNA9Fの風量・温度が変わる点が選び分けの勘所です。
| 項目 | EH-NA9G | EH-NA9F | ポイント |
|---|---|---|---|
| 対応電圧 | AC100V(国内専用) | AC100–120V/200–240V(海外対応) | 旅先使用の可否 |
| 風量(TURBO) | 1.3m³/分 | 1.1m³/分(AC100/200V) 1.2m³/分(AC120/240V) | 国内ではNA9Gが強め |
| 温風温度(DRY) | 約125℃ | 約100℃(AC100/200V) 約125℃(AC120/240V) | 国内では温度も差あり |
| 質量 | 約575g | 約620g | 取り回しの軽さ |
| 本体寸法 | H22.8×W21.4×D9.2cm | H22.7×W22.2×D9.1cm | 横幅はNA9Fがやや広い |
| モード | 温冷リズム/スカルプ/スキン/毛先集中/インテリジェント温風 | 同左 | 機能構成は同等 |
使い心地の違い
国内AC100Vでの使用を前提にすると、風量と温度の分だけEH-NA9Gのほうが根元から一気に水分を飛ばしやすく、乾燥のテンポが上がります。
一方、EH-NA9Fは海外対応の恩恵が大きく、120/240V圏では温度・風量が持ち上がるため、旅先でも普段に近い乾き方が期待できます。
モードやナノイー&ミネラルの効果は同等なので、「速さ重視の国内常用」か「渡航・出張の多さ」で決めるのが合理的です。
向いている人
どちらが合うかを直感で判断できるよう、条件を整理しました。
当てはまる項目が多いモデルを第一候補にすると、購入後の満足が安定します。
- 国内のみで使い、速く乾かしたい人はEH-NA9G。
- 海外出張や旅行が多く、現地でも同じ感覚で使いたい人はEH-NA9F。
- 肩~ロングで毛量が多く、根元の速乾を優先する人はEH-NA9G。
- 家族共用で海外利用の予定がある家庭はEH-NA9F。
カラーと付属品
カラー展開は発売年や流通で変わりますが、どちらもセットノズル同梱、速乾ノズルは本体内蔵の整流(吹き出し)構造で共通です。
EH-NA9Fは海外プラグの付属(C-2アダプター)表記がある点が実務的に便利で、渡航時の小物手配が減ります。
購入前に在庫色と同梱物、保証条件を確認して総額で判断しましょう。
国内運用での体感差を具体化
ここからは日本国内のAC100V環境で使う前提で、EH-NA9GとEH-NA9Fの体感差をもう一段具体化します。
「何分でどこまで乾くか」「どのモードをどう使うか」「夜間の音・取り回し」の三点で絞り込みます。
時短と仕上がりの再現性は毎日の満足度に直結するため、生活導線に当てはめて検討しましょう。
乾燥スピード
同じ条件なら、風量と温度が上のEH-NA9Gが一歩速く、特に根元の水分を飛ばす起点の立ち上がりで差が出ます。
髪が長い・多い場合は、この起点が早いほど全体の所要時間が短縮しやすく、スタイリング前の熱滞留も減らせます。
ショート~ミディアムで量が標準なら、EH-NA9Fでも十分に速く、温冷や毛先集中の組み合わせで仕上げの質感は揃えられます。
モードの使い分け表
モードの呼称は同じでも、風量・温度の土台が違うと使い分けの勘所も変わります。
下表は国内AC100Vでの実用イメージです。
| モード | EH-NA9Gの勘所 | EH-NA9Fの勘所(AC100V) |
|---|---|---|
| 温冷リズム | 温度帯の伸びがあるので手早く面を整えやすい | 温度が低めのため面出しは丁寧に当てる |
| スカルプ | 約60℃で地肌にやさしく根元を乾かしやすい | 同等。長めに当ててムレを逃す |
| 毛先集中 | 風量の余力で中間→毛先を素早く締める | 時間を少し長めに取り艶出しを狙う |
| インテリ温風 | 夏場の熱さ感を低減しつつテンポを保つ | 熱感が穏やかで快適。乾きは一拍遅い |
| スキン | 送風位置を近づけすぎない | 同等。仕上げの保湿を重ねる |
モード構成は両機共通で、使い分けの軸はベースの風量・温度差です。
夜間の運用と取り回し
音そのものは設計世代が近いため大差は出にくい一方、所要時間の差が体感の静かさに影響します。
EH-NA9Gは重さが約575gで手首への負担がやや軽く、前髪や顔周りの角度付けがラクです。
EH-NA9Fは約620gで横幅も広めですが、海外アダプター同梱で持ち出しの準備がシンプルになる利点があります。
海外運用を前提にした選び方
EH-NA9Fの最大の魅力は電圧切替に対応している点です。
変圧器なしで使える国が広く、C-2プラグアダプター同梱で出張・留学・長期滞在の荷造りが軽くなります。
ここでは旅程別の運用をイメージし、NA9Fの利点と注意点をまとめます。
電圧と仕上がり
120/240V圏ではNA9Fの風量が1.2m³/分になり、温風温度も約125℃へ上がるため、国内NA9Gに近いテンポで乾かせます。
一方、100/200V圏では1.1m³/分・約100℃となるため、厚い毛束はブロッキングを細かくするなど当て方で補うのがコツです。
現地のプラグ形状と電圧表記を事前に確認し、切替スイッチの位置と操作は出発前に練習しておくと安心です。
旅支度のチェックリスト
海外使用は「忘れ物ゼロ」が快適の近道です。
荷造りの段取りを固定化すれば、毎回の準備が数分で済みます。
- 電圧切替を現地側に合わせたかをチェックする。
- 同梱C-2プラグで足りるか、国別のアダプターを追加する。
- 収納は熱が引いてから。耐熱ポーチなら安心。
- 宿の洗面所コンセント位置を想定し、延長コードの要否を決める。
購入前の比較表(海外視点)
海外前提で二機を比べる際の視点を表にしました。
金額だけでなく「移動のしやすさ」と「現地での再現性」を加点するとブレません。
| 観点 | EH-NA9G | EH-NA9F | 判断の軸 |
|---|---|---|---|
| 海外使用 | 不可 | 可(電圧切替) | 旅の頻度で決定 |
| 同梱物 | セットノズル | セットノズル+C-2プラグ | 荷物の簡素化 |
| 重量 | 575g | 620g | 持ち歩きの負担 |
| 現地の乾き方 | — | 120/240V圏で向上 | 目的地の電圧で評価 |
価格と満足度を左右する見落としポイント
価格差は時期とカラー在庫で動きますが、最終的な満足は「速さ」「使える場所」「取り回し」で決まります。
ここでは購入後の後悔を防ぐための視点を、表と箇条書きで整理します。
保証や同梱の確認も早めに済ませましょう。
比較の軸を固定化
条件を同じにして比べないと、判断がぶれます。
次の表をそのままメモして、候補店ごとに埋めると迷いが減ります。
| 観点 | 記録方法 | 許容ライン | メモ |
|---|---|---|---|
| 総額 | 送料・ポイント込で記入 | — | 実質総額で比較 |
| 在庫色 | 第1希望~第2希望 | — | 色で価格差が出やすい |
| 保証 | 延長/初期不良対応 | — | 窓口の分かりやすさ |
| 用途 | 国内専用/海外前提 | — | 旅の頻度を書き出す |
生活導線での気づき
重さは数十グラムの差でも、腕上げ時間が長い人ほど効いてきます。
コード長は両機とも約1.7mで同等ですが、コンセント位置と鏡の距離次第で延長コードが必要かが変わります。
定位置が決まっているならNA9G、持ち出し前提ならNA9Fという分け方も合理的です。
よくある質問の実務解
「モードは同じか?」→同じです。温冷リズム、スカルプ、スキン、毛先集中、インテリジェント温風を両機が搭載しています。
「イオン関連の違いは?」→どちらもナノイー&ミネラル、静電気抑制、イオンチャージPLUSを搭載しています。
「速さはどちら?」→国内AC100Vでは風量・温度でNA9Gが優位、120/240V圏ではNA9Fも同等温度帯に到達します。
買ってから差が出る使いこなし
モデルの差に加え、使い方の型を持つと仕上がりと時短が安定します。
温度・風量・モードを固定化し、ルーティンを家族で共有すると迷いが減ります。
以下は今日から真似できる実務的なコツです。
基本運用の型
乾かし始めの30~60秒は根元集中、次に中間、最後に毛先を整えると全体が早く締まります。
温冷リズムは面のツヤ出しに効くため、仕上げ30秒の導入をルール化すると再現性が上がります。
夏場はインテリジェント温風を早めに入れ、熱さ感を減らして所要時間を均一化しましょう。
髪質別の小ワザ表
髪の条件で当て方は変わります。
下の表を目安に、温度・風量・モードを選んでください。
| 髪の条件 | 温度/風量 | 相性の良いモード | 当て方のコツ |
|---|---|---|---|
| 多毛・うねり強 | DRY×TURBO | 温冷→毛先集中 | 根元を起こしてから面を作る |
| 細毛・軟毛 | DRY×DRY | 温冷→スカルプ | 風を散らしてボリューム維持 |
| ダメージ毛 | DRY×DRY | インテリ温風→温冷 | 中間~毛先は距離を長めに |
家族共用のルール
誰が使っても同じ結果に近づけるには、貼り紙レベルで「温度・風量・モード」を可視化すると早いです。
子どもや前髪の仕上げは温冷を短時間だけ入れる、スカルプは根元のムレ取りに限定する、など役割分担を明記します。
吸気口のホコリ取りとノズルの拭き上げを週1回に固定し、性能低下を防ぎましょう。
ここまでの内容を踏まえた要点まとめ
EH-NA9GとEH-NA9Fの違いは「国内特化の風量・温度と軽さ」か「海外対応の汎用性」かに集約されます。
国内のみで速く乾かすならEH-NA9G、海外でも安心して使いたいならEH-NA9Fが本命です。
モードやナノイー&ミネラルは同等なので、あなたの生活圏と使用頻度に照らし、電圧・風量・温度・重さの4軸で優先順位を付ければ後悔はぐっと減ります。


