6/29「人事の未来」第一部トークショー”働き方改革の実現に向けて開催

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6/29「人事の未来」第一部トークショー”働き方改革の実現に向けて”(LeBAC×グローバル人事塾共催)は多くの方の申込みがありました。当日は立ち見もでました。いらっしゃって頂き本当に有難うございました。深く御礼申上げます。

 

<内容:人事の未来・スペシャルトークショー『働き方改革の実現に向けて』>

◇日時:2017年6月29日(木)16:20~17:10

◇会場:東京国際フォーラム展示ホール内 セミナー会場A

◇モデレータ:岩本隆先生

◇パネリスト:伊藤禎則氏(経済産業省 経済産業政策局 産業人材政務室 参事官)

ムーギー・キム氏(作家)

越川慎司氏(クロスリバー代表取締役CEO)

北崎茂氏(PwCコンサルティング ディレクター)

 

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パネリストコメントメモ(パネリスト別)

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<伊藤氏>

産業政策や経済政策は「資金」をめぐる政策がほとんどであるが、今や「資金」は稀少材ではなく、むしろ人材こそが稀少財である。その人材を生かすために必要なことは、以下の3つであると捉えている。

 

①成果・生産性に基づく評価

労働時間是正はあくまでもボウリングの「ファーストピン」であり、必要だが十分ではない。長時間労働是正と生産性向上をセットで達成することが、言わば「ストライク」となるだろう。日本の生産性はOECD35か国中20位(2015年OECDレポートより)であり、またエンゲージメントは139か国中132位(2017年ギャラップ)と低い水準である。日本型の仕組みの良さはあるので、変えていくところは変えていく、というスタンスが重要だと考えている。

 

②柔軟かつ多様な働き方の実現

介護や出産・育児などを経ても長く働ける環境の整備が必要となる。これからは「一億総制約」を前提とした、多様な働き方を実現させることができるかどうかが重要なカギの一つとなるだろう。

 

③”人づくり革命”

キャリア・オーナーシップという考え方が重要だと思う。その考え方の下では、「学ぶ」と「働く」が一体化する。企業は人財という資産のROAを最大化すべきであり、その中で人材投資・教育システムも大きく変わるだろう。

従来はCFOが企業の優劣を握っていたが、今後は人事が企業の戦略センターであることは間違いない。ただしその場合の人事は“これまでの”人事畑ということではないかもしれない。その一つのカギはテクノロジーだと考えている。人事は本来は膨大なデータを扱う部署であるため、実は最もAIの活用が有効な分野なのではないか。潜在的にはFintechをしのぐ可能性があるし、日本企業のパフォーマンスを大きく変える可能性もある。(事例:JINS:日立ソリューションズの例)

人事部はこれから大変になるだろう。人事部改革が人事改革につながり、人事改革が経営改革につながることになるからだ。また今後は、人材の多様化という論点だけではなくAIという論点も出てくる。どの部分を誰がやるか、の振り分けが非常に重要になると思う。

 

<キム氏>

生産性の定義を自分で考える必要がある。業態や業界によって生産性の定義は異なる。自社にあった生産性の定義を自分で考えることができるかが非常に重要である。そして、その生産性を高めるうえでは次のようにレイヤー別に考える必要がある。

①ビジネスモデルのレベル

KPIの優先順位を間違っている(やらなくてもいい仕事をやっている可能性)

②上司のレベル

上司の生産性のレベルが低い

③個人のレベル

「やりたいことができていない」(=モチベーションが低い最大の理由)

いずれにしても生産性向上に最も重要なのは、従業員が「誇りを持てるかどうか」「Recognitionを受けられているかどうか」「学べているかどうか」であると考えている。

今ではスカイプやスラックを使ったコミュニケーションは一般的になりつつあるが、依然として日本の(伝統的な)年配の管理職はデジタルを扱えない。若者に頼み込んで教えてもらうことも必要である。

先に述べたように、社員のモチベーションが低い理由の一つは、やりたいことができていないからである。研修についても、何を学びたいか従業員に自分で決めさせることが大事だと思う。

朗報として、高学歴などに代表されるIQが高い人間から、EQの高い人間を採用する流れになっている。信頼できる人かどうか、すなわち信頼をベースに周りからの情報をインテグレートできるかどうか、という要素は社内でのトレーニングではなかなか教えられない。従って、どのような人材を採用するかが重要で、その基準が変わってきているのだろう。

<越川氏>

「働き方改革」を目指してはいけない。「働き方改革」を目指してしまうと、制度は作ったが機能しない、という悪循環に陥る可能性が高い。目指すべきは、「企業の成長と社員の幸せを目指すこと」である。そうすると、おのずとやることが決まってくる。そしてその成功のカギは、現場と経営陣の「腹落ち感」である。

「働き方改革」はあくまでも手段である。「座ってセミナーを聴いて終わり」ではなくて、とにかく行動を起こしてほしい。

 <北崎氏>

「働き方改革」について企業と話をすると、オフィスなどのハードの話が多い印象がある。しかしあくまでも主役は社員である。重要なのは、社員が「生産性を高める」という当事者意識を持つことである。その意味では、社員の意識を変えることこそが、人事の仕事ではないか。

「働き方改革」について、積極的に取り組む企業と取り組まない企業の差が大きくなってきたように思う。先進企業は人事領域においてCenter of Excellence(COE)を設置するなどしている。重要なのは「人事制度を作ること」ではなくて、「人事制度をいかに進化させていくか」をミッションとして持てるかどうかではないか。

人事にとってはビッグチャンスが来ている。世間的な注目も浴びることになるし、経営陣にもそのインパクトは伝わるだろう。これまでは、例えばダイバーシティを実現できたとしても成果につなげられないことが多かったように思う。成果に結びつけるためにはコーディネーターが必要だ。大きな計画になるが、人事が旗振り役になる時が来たと考えている。